ひとりぼっちの進化学

「ひとりが好きな人へ」「ひとりが寂しい人へ」。寝付けない夜に著者が綴った日々のできごと。

幸福のための不可欠の要素とはなにか?

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いっさいは空であるという感情は、自然の欲求があまりにもたやすく満たされるところから生まれる感情である。

(…)

ほしいものをいくつか持っていないことこそ、幸福の不可欠の要素である。

ラッセル 幸福論】

 

 

仕事から帰ってきてお風呂に入って夕飯を食べて歯磨きして、ふ〜っと一息ついて布団に倒れ込む。

その瞬間のなんとも言えない脱力感は結構好きです。

 

でもその後にふと形のない虚無感に襲われることがある。

この虚しさのことをラッセルは「空」と呼んでいます。

 

いっさいは空である、つまり虚しいという感情を抱くことは僕に限らず誰にだってあると思います。

なんとなく虚しくて何もやる気がおきないよー的な、ね。

 

でもそう思えているということは「現状どうしてもやらなければならないこと」は存在しない、ってこと。

ライオンに追いかけられているときに「あ〜虚しい…」なんて思いません。とにかく必死に走らないと死ぬわけですから(走っても多分死ぬけど)。

 

“どうしてもやらなければならないこと”に忙殺される人生もそれはそれで嫌ですが、世の中が便利かつ豊かになったおかげで“やらなければならないこと”が減り、結果的に「今何をすればいいのか」が分からなくなってしまった。

 

その結果生まれた虚無感に現代人は苦しめられている。

そんな気がします。

 

ではラッセルの言う「ほしいもの」とはなんでしょうか。

生きる上で必要不可欠なもの? それともそれ以外の付属的なもの?

 

今の日本で生きる上で必要な衣食住を持たない人は少数です。

ではそれ以外のほしいものとはなんでしょう。

 

例えば恋人。車。一戸建ての家や新型のiPhone、身も蓋もないことを言えば贅沢ができるだけのお金。

生きる上で必要不可欠ではないけれど、あったら嬉しいもの、ですね。

 

でもちょっと待った。

新型iPhoneが欲しい(持っていない)からこそ現在やるべきことが明確になる、なんてことはありません。

 

13万は高いから(新型高すぎですよね)在宅ワーク頑張って金貯めるぞ! と精力を燃やせる人は別かもしれませんが……

 

それは車でも服でも同じです。

 

では「持っていない」ことで虚しさを打破できるほどの気力を生み出すものとは何か?

 

僕は知恵だと思います。

 

未だ自分が知らない知識、訪れたことのない場所、聞いたことのない物語。

 

そこには際限がない。

だからこそ、好奇心をくすぐられる。

 

単なる物欲とは違う、人間が持っている根源的な欲求……それは好奇心です。

 

「あの海の向こうには何があるのか」

 

はるか彼方の水平線の、さらにその先を想像して目を輝かせている人は「虚しい」なんて思わないはずです。

 

メディアや世間体によって「持っていると幸せだと思わされているもの」=お金や服や車などに惑わされることなく、自分の外にある世界に興味を持て。

 

それこそが幸福のための不可欠の要素なのではないかと思います。