奇跡の映画「JUNK HEAD」の見方
映画にはいろいろな見方があると思う。
ストーリを楽しむもの。
キャストで選ぶもの。
音楽や映像美を重視するもの。
JUNK HEADはその気の遠くなるような制作過程を感じ取って「すげぇなあ」と感嘆する映画だと、今日鑑賞して思った。
というのも、取り立てて真新しいストーリではないし、
完結もしない。
物語を重視する僕個人としては、正直に言って面白い映画、とは言えない作品だった。
でもきっと、この映画は記憶に残る。
もう一度観たいとは思わないけれど、
あの特徴的なキャラクターの造形と音声は数年後でも思い出すことができると思う。
制作に対する努力そのものが一つの奇跡として認知され、そして評価される。
こういう方法もあるのか。
7年と言う歳月をかけて、キャラクターの動き一つ一つを手作業で撮影していった、その根気。
効率を度外視し、採算を考えず、純粋に「楽しいから」作る。
仕事の理想系を見た気がした。
理学療法を技術職として考えた場合、
「学ぶこと」自体を楽しいと思えないと絶対にどこかで行き止まりになる。
こんなもんでいいか、と手を抜きたくなる。
給料や費用対効果、仕事に対する義務感を脇に置いて、純粋に「新しいことを知る」こと自体を楽しみたい。
そんなことを思った。